「外国人」と聞くだけで、なんだか英語ができそうじゃないですか。
その人がどこの国出身でも、英語圏でなくても、私よりも英語力が高そう。
なんだかペラペラっぽい雰囲気。
それに比べれば私の英語力は。。
みたいに想像だけで落ち込んでしまったことはありませんか?
今回は英語ネイティブではない人たちと日本人を比較して、
私たちの英語力は実際にどれくらいのものなのか自信をつけたいと思います
まず、こちらをご覧ください

「のっけからそんな暗くなる事実を突きつけなくても」と思われるかもしれません。
ただ、こういう結果が出るのには理由があるのです。
ブルガリアでのこと
少し私の経験談を聞いてください。
私はこのランキングで16位のブルガリアに行ったことがあります。
日本が92位に対しての16位ですから相当格上です。
首都のソフィアに10日ほど滞在し、色んなところに行きました。
ある酒屋でブルガリアの地酒を買おうと、
「この国ならではのお酒は何ですか?」と聞いたのですが、
40代ほどの店主は全く分からなかったようです。
首都の中心地にあるお店ですよ。
あれこれ試行錯誤して、単語数を減らして聞いてみたりしたところ店主は一本の酒瓶を渡してくれました。
おいしかったのですが、彼はついに英語は一言も話さず、
あれが本当にブルガリアの地酒だったかどうかは今でも分かりません笑
ブルガリアの体験2
もう一つエピソードを。
私は外国に行くと必ず演劇を見るのですが、
あるブルガリアの劇場で「今日は何かやってますか?」と尋ねました。
ここも首都の中心地です。
受付の50代ほどの女性はやはり私の質問が全く分からず、
私は時計を見せたりジェスチャーを駆使してようやく、7時から何かやるらしいという情報をゲットしました。
それはどうやら高校生の演劇部か何かの発表らしく、
知っている脚本だったので筋は分かりましたが、お芝居の内容以上にこの経験トータルが面白かったです。
これはもしかしたら、たまたまかもしれません。
たまたま私はブルガリアの中でも英語がものすごく苦手な人にあたったのかもしれない。
もちろん他のレストランやホテルでは問題なく通じましたよ。
ただこんな風に、英語が全然通じない方は16位のブルガリアにも、
32位の香港、49位のフランスにもいました。
生徒さんからは「中国(91位)と韓国(50位)では英語が本当に通じない」とよく聞きます。
ホテルやレストランなど英語を使い慣れていてもおかしくない場所でもそんな印象だそうですが、実際に行ってみたいものです。
日本の場合は?
私が言いたいのは、「このランキングは嘘っぱちだ」ではないんです。
日本は英語に縁が無い人たちの素養が凄まじいんです。
上記の英語力ランキングは有志、英語学習者たちが受けたテストのスコアが基準です。
国民全員ではないとは言え、統計学的にはある程度参考になる数字なのだとは思います。
ブルガリアでは英語が通じなかった経験を多くしましたが、
問題なく通じることも多くありました。できる人とできない人が極端なんです。
日本はここが違うんです。
外国で英語が通じない時、それはその人が本当に英語を何一つ知らないから通じないんです。ローカル、プロフェッショナル、ワットタイム、全て通じなかった単語です。
日本で英語が通じない時、それは聞き取れないからであって、使われる言葉は大体知ってるんです。だから紙に書いてもらったりすると分かる。
日本ではカタカナ英語はもはや常識で、知らないと生活に苦労するレベルですが外国では生活に英単語は浸透していません。
勉強以外で英単語と触れ合う機会が無いんです。
しかし日本人は、どんな地方の、どんな田舎の、どんな小さなお店に行っても、
「ディスカウント?ノーノー。ストロングアルコール?オーケー、ジャパニーズサケ。グッドテイスト。」
くらいの英単語、店主は必ず知っているでしょう。
非英語圏ならば本来わざわざ勉強しないと身につかない知識を、日本人は日常生活で自然に会得している。
だから私は、
日本人は世界一英語に向いています、
と言い続けています。
各国のエリートが英語を使えるのは当然です。
それ以外の人たちが英語をろくに知らないのは自然なことです。
日本は専門教育を受けていない人まで3000もの英単語を日常から使いこなしている。
そこに凄まじい伸びしろを感じませんか?
というわけで
「ノンネイティブの実際の英語力」の結論は、
私たちが目にし得る「英語力の高いノンネイティブ」は努力の賜物。
英語ができるから外国人と接する職場に配置されたり、海外旅行にもストレス無く行けるため、日本人と関わる機会が多く生まれる。
そのため私たちは「外国人はみんな英語できる」と考えてしまう。
「英語力の低いノンネイティブ」はそもそも英単語から知らないケースが多く、
簡単な単語を使っての意思疎通も苦手。
そして彼らはそもそも自分の国からあんまり出てこないから、日本人が目にする機会が極めて少ない。
「日本人で英語力の高い人」は存在するものの、
日本国内では街中や職場で英語を必要とされるケースが非常に少なく、熟達した人の絶対数が少ない。だから英語力スコアも低く出る。
「日本人で英語力の低い人」はどんなに成績が悪かった人でも非常に多くの英単語を日常的に使いこなしていて、うろ覚えながら一通りの文法を学習済であるから説明を聞くとピンとくる。
だから日本人全員が英語に世界一英語に向いているんです。
この議題は教育・就職・研究・産業など色んな要素を含んでいて、
「そもそも英語ができないとまともな企業に就職できない国すらある」といった話までいきたいのですが今回はこの辺で。